史跡探訪では、座学で歴史の基礎を身につけ、寺社訪問で学びを更に深める授業が中心となります。訪問先は、京都を中心に地域ごと数か所を一度に回ります。
また、日帰りや1泊2日で遠方を訪れる歴史の旅も年に数回あります。
山村純也 先生
株式会社らくたび代表取締役
「らくたび」という京都の情報発信をする会社を立ち上げて12年。現地ガイドと室内講座からスタートし、現在は出版、京阪電車の観光案内所、二条城ガイドと多岐にわたって京都の案内をさせていただいています。
京都という街は平安時代以前から平安京、鎌倉、室町、安土桃山、江戸、明治、大正、昭和と歴史が「重層的に折り重なって」できている街です。こんな街は日本中探しても無く、まさに日本の歴史そのものと言えます。そして、そういった各時代の「史跡に触れる」ということは、日本の歴史や文化に触れ、日本人の生き方を改めて確認する、そんな貴重な機会に他ならないと思っています。世界中の情報が瞬時に飛びかい、ボーダレス化していくこんな時代だからこそ、改めて自国の歴史や文化を深く認識し、その誇りをもって世界と交わっていくことができたら。
「らくたび」は京都の良さを多くの方々に伝えることで、これからの京都の発展、そして日本人の力になれたらと願っています。
45期生 中村 淳子 さん
史跡探訪部の授業は、学内の教室での座学の「歴史講座」と学校を出て京都の史跡を巡る「史跡探訪」の2種類があります。
暑い夏と寒さの厳しい冬には、暖房の効いた室内での講義で、専任の講師による京都の社寺門前菓子や、崇り、ご利益などテーマに添った話や、「華麗なる一族とその歴史」
「京都の怨霊の歴史」、「伝説からみた京都学」、「光秀が仕えた二人の主君」などをテーマにした日本史の逸話をプロジェクターの画面を交えて興味深く2時間受講します。
気候の良い春と秋には、外へ出掛け、1回につき2,3か所の史跡を探訪、有名な神社仏・仏閣だけでなく、ひっそりとたたずむ史跡も訪れます。講師の説明だけでなく、その神社の宮司さん、禰宜さん、お寺の住職さんのお話しを聞いたり、寺宝や神社が所有する宝物を拝観できるのは、個人で参拝しても中々出来ない貴重な体験になると思います。
史跡探訪部は、歴史や史跡、そして自然の好きな方が楽しめる部です。5年間で京都の史跡を一巡り、是非一緒に楽しみながら京都を再発見しませんか。
史跡探訪部の文化祭展示内容
文化祭展示担当者が七月初めに展示内容を5項目に絞り、史跡探訪訪問先と由緒紹介、座学:敗者の美学、京都の難読地名、大河ドラマ:鎌倉殿の13人とし、訪問先の由緒紹介は、担当者が分担して調べ、写真と共に掲示しました。次に、山村先生の座学:敗者の美学を要約し、関連資料と共に掲示しました。難読地名は京都にも数多く、クイズ形式にして解答して頂く事にしました。井上学長も挑戦され、首を傾げる場面も見られました。また、大河ドラマは鎌倉時代なので、登場人物と俳優の顔写真とを結びつけて作成することにしました。別途企画として、来年の干支「うさぎ」を畳表で置物にした作品と、自宅近辺の苔と野草を使って作られた「苔玉」の作品を展示しました。両作品共、大好評で引取希望者が多かった為、抽選で引取者を決定しました。次回も史跡探訪部に興味を持って貰える様な企画を考えています。40期 古川清
10月6日の史跡探訪
第9回史跡探訪の訪問先は西大谷本廟・鳥辺野・妙見堂・安祥院です。
講師は株式会社らくたびの田中昭美先生
西大谷本廟
浄土真宗を開いた宗祖親鸞聖人は、1263年90歳で示寂し、鳥辺野南辺で火葬され、鳥辺野北辺の大谷に納められた。1603年第12代准如上人の時代に五条坂の現在地に移転しました。
鳥辺野 鳥戸(部)野とも書く
京都市東山区、東山西麓の地域。平安時代、東山の鳥辺野は西の化野、北の蓮台野と並ぶ
京都三大風葬地であった。
妙見堂
鳥辺野の妙見堂。日蓮宗通妙寺の別所で本尊は妙見大菩薩。 鳥居の額には「妙見堂」、石灯籠には「妙見宮」、門標には「鳥辺野妙見菩薩」と記されてい神仏一体の名残を感じさせる。
安祥院
天慶5年(945)朱雀天皇の勅願により天台座主尊意僧正が乙訓郡大藪郷に創建した大藪山任王御国院という天台宗寺院が起源とされる。 江戸時代まで荒廃と復興を繰り返した後、 享保
10年(1725)に養阿 (木食上人)が寺基を現在地に移して 阿弥陀如来 を本尊とする 浄土宗 の寺院として中興した。
5月になり、史跡探訪部は校外の神社・仏閣を訪ねる史跡探訪が始まった。
梅雨に入り、毎回雨に祟られているが、毎回40名ほどが参加した。
『涌泉寺』
5月13日探訪。(株)らくたびの田中先生から、涌泉寺の由緒の説明があった。
涌泉寺は、日蓮宗立本寺の末寺で本涌寺と妙泉寺が合併して涌泉寺となった。1574年、日生上人が日蓮宗の学徒を養成するために設けた学室である。
『相国寺』
5月20日探訪。臨済宗相国寺派の大本山で、正しくは相国承天禅寺という。
足利義満が10年の歳月を費やし、1392年に竣工した座禅修行のための寺で
ある。度重なる失火・兵火により荒廃するも、再建に努めつつあるが、未だ三門、
仏殿は再建に至っていない。
『粟田神社』
5月27日探訪。神社の宮司様から粟田神社の由緒の説明を拝聴した。
青蓮院の鎮守社として、また、京の東出入口である粟田口にあり、
参道は東山道・東海道に面して古くから旅立ち守護の神として崇敬を集めて
いる。
境内本殿の北には「出世恵比寿社」、参道には「鍛治神社」がある。
文:史跡探訪世話役F