平成27年度一般教養講座

平成27年度 第1学期

本日、4月14日(火)の一般教養講座
テーマ:入学式記念講演 能への誘い、その学び
講師:能楽師 重要無形文化財 能楽(総合指定)保持者 吉田潔司先生

 

まず能が、650年間伝承されて来た世界で一番古い演劇であることや、仮面劇であること、その仮面である能面を実際に数種類見せていただき、一つずつ解説していただきました。

小面、若女、近江女、深井と順を追って段々恨みのこもった女性の表情に、そして狂気を含んだ表情になっていき、最後に般若の面が登場しました。

般若の表情も下を向いていれば悲しい表情、上を向くと憎悪の表情を表しており、能面一つで豊かな表現力があることを教えていただきました。

やはり、室町時代から続く伝統芸能!奥が深いが故に神秘的な魅力を感じました。

今年度最初の授業から学ぶことの大切さを痛感しました。

本日、4月21日(火)の一般教養講座
テーマ:味わって読み解く 百人一首の世界(1)
講師:歌人 岩田晋次先生

 

本日は百人一首の春の歌を6首取り上げてご講義いただきました。

 小野小町、紀友則、紀貫之、伊勢大輔、周防内侍、前大僧正行尊の歌の解説において、百人一首に出てくる「花」は全て桜であること、例外として紀貫之の歌に出てくる「花」は梅であること、また和歌の技法である枕詞や掛詞を使った巧妙な表現に驚嘆しました。

岩田先生曰く、平安時代には『花と言えば桜」、「山と言えば比叡山」、「祭と言えば葵祭」だったそうです。

三十一文字という少ない文字数で、驚くほど深みのある表現力、日本語・日本文化まだまだ学ぶことは沢山あると感じました。

本日、4月28日(火)の一般教養講座
テーマ:吉田松陰のみた洛中洛外
講師:歴史地理史学者 京都女子大学非常勤講師 中村武生先生

 

本日は、今年のNHK大河ドラマが吉田松陰とその妹「文」を中心に描いていることから、その内容に沿ってご講義いただきました。

松陰は、29年2ヶ月の短い生涯の中で、全集10巻を残しており、かなりの筆まめな方だったそうです。

そして、地理史学的な見地から建物間の時間的な距離感やその当時の通りの道幅などを知った上で、石碑や史実を分析するなど大変面白いお話しをしていただきました。

本日、5月12日(火)の一般教養講座
テーマ:アンチエイジングの秘訣
講師:医師 熊本大学名誉教授 元放送大学客員教授 森正敬先生

 

本日は医師、医学博士でもある森先生にアンチエイジングについてご講義いただきました。。

誰にでも必ず訪れる老化… そして老化を防ぐためには何をすれば良いのか?

老化の原因は、染色体に存在するテロメアの短縮や紫外線による光老化、洗剤による洗いすぎ、基礎化粧品、タバコにあることを解りやすく説明していただきました。

特にタバコによる老化には時間を割いていただきました。

結論としては、食生活、運動、禁煙、節酒、睡眠と休養が大事とのことでした。

やはり、老化を防ぐことは誰もが望むことですので、学生のみなさんも真剣に聴き入っている様子でした。

本日、5月19日(火)の一般教養講座

テーマ:御伽草子はおもしろい−浦島太郎の世界−

講師:京都府立大学文学部教授 安達敬子先生

 

本日は日本のお伽話の代表格である、「浦島太郎」について、日本書紀・万葉集・丹後国風土記などから読み解いてご講義をしていただきました。

「日本書紀雄略天皇紀」では、中国語(漢文)記述のため中国文化が色濃く反映されていたり、「万葉集巻九一七四〇番高橋虫麻呂」では、日本語記述のため日本文化が反映されている。また、「丹後国風土記」では貴族趣味的にロマンチックな美男・美女の恋物語になっていたり、「日本書紀海幸・山幸説話と盧茲草葺不合尊」にも「浦島太郎」の原型が読み取れるなどお伽話も神話が元になり、その後どんどん形を変えていくなど大変面白いご講義に学生の皆さんは熱心に聴き入っている様子でした。

因みに、「浦島太郎」は、江戸時代までは大人の読み物であり、教訓じみた内容を伴った子供の読み物になったのは明治時代からだそうです。

本日、5月26日(火)の一般教養講座

テーマ:アベノミクス第3章について−成長戦略とシニアライフ−

講 師:時事経済研究所所長 小林敬三先生

 

本日は、アベノミクスの成果から現在そして今後の日本をお話ししていただきました。

アベノミクスにより日本経済も少し持ち直したかのように見えるが、現在を踏み台にして伸びていくには第3の矢の成長戦略如何にかかっていること、また貯蓄から投資、シニアから若者への資金の流れの必要性、TPPやAIIBその他色んな事象を交じえ今後の日本経済が世界の中でどのような存在になっていくのかをご講義いただきました。

今後の安倍内閣の政策を熟視していかねば…と感じるご講義でした。

本日、6月2日(火)の一般教養講座

テーマ:夫婦同伴文化はなぜ育たなかったのか?

講 師:「上方芸能」発行人、和歌山大学客員教授 木津川計先生

 

本日は、欧米と比較してなぜ日本で夫婦同伴文化が根づかなかったのかを面白おかしくご講義いただきました。

日本では夫婦同伴で参加するパーティなどが少なく、夫婦同伴といえばお葬式・結婚式くらい…そして、その理由も江戸時代の仏教から儒教への政治転換や家族の核の違い(欧米は夫婦が中核、日本は子供が中核)、キリスト教は毎週日曜日に家族で礼拝に行くが、仏教はお葬式くらい…

そして、日本は明治以降欧米文化にときめきとたかぶりを感じながら進化して、今や先進国、そして経済大国としての国際的地位があるが、進化する中でときめき・たかぶりは常にあったけれどもやすらぎが欠けており、これこそが夫婦同伴文化が根づかなかった理由ではないのかとの斬新な説に学生の皆さんも聴き入っている様子でした。

夫婦同伴文化には、やすらぎが必要であり、やすらぎには「思いやり」が必要とのことでした。

本日、6月9日(火)の一般教養講座

テーマ:御伽草子はおもしろい−一寸法師の世界−

講師:京都府立大学文学部教授 安達敬子先生

 

5月19日の「浦島太郎」に引き続き御伽草子を色んな角度から分析してご講義していただきました。

 

御伽草子の「一寸法師」は、一般に知られている「一寸法師」とは少し違い、12~13歳になっても背が一寸で両親に化け物と思われ気味悪がられたり、奉公先の娘さんを好きになったあまり主人をだましたりと、なかなか悪童ぶりを発揮しています。

 

また、「一寸法師」に似た話として、「小男の草子」があり、主人公は最後まで背丈は小さいまま、そして本当は五条の天神の神体であった。その他、古事記などに登場する少彦名命(すくなひこなのみこと)や背が低かったとされる菅原道真、これも背が低かった「義経記」に登場する源義経(牛若丸)などの話を「一寸法師」と共通したところを解説していただく大変興味深いご講義でした。

本日、6月16日(火)の一般教養講座

テーマ:だましの心理学

講師:立命館大学特命教授・名誉教授、立命館大学国際平和ミュージアム終身名誉館長 安斎育郎先生

 

ご講義開始早々は、安斎先生の毎月福島での原発・放射能に関する活動や、今後の福島原発の廃炉に至る手順や方法を専門家の目から分かりやすく解説していただいた後、本論「だましの心理学」をご講義いただきました。

人間は簡単にだまされると言うことを実際にスプーン曲げをしたり、カードの手品のタネ明かし、血液型占いなどにより解説していただきました。また、血液型による性格判断などで人間を見立てするのは日本くらいのもので、ヒトラーが親衛隊を作るときに自分と同じA型の人間を集めたこともあり、特にドイツでは民族差別につながる話に発展するため海外留学をする学生には御法度であることを伝えるとのことです。

そして、「思い込み」や「欲得ずく」により人が騙される「落とし穴」についても面白おかしくご講義いただき、最後は振り込め詐欺などにあわないための10か条でお話を締めていただきました。

安斎先生のテンポの良いお話に学生の皆さんからは何度も笑いが起こり、興味深く、楽しく、そして実生活に役立つご講義に最後まで聴き入っている様子でした。

本日、6月23日(火)の一般教養講座

テーマ:初代の天皇はだれか ー神武天皇と崇神天皇の謎ー

講師:京都シニア大学学長、京都市歴史資料館館長 井上満郎先生

 

本日のテーマは「初代の天皇はだれか」…日本人の多くの方が興味を抱くお話を神武天皇と崇神天皇にスポットをあて、日本書紀や古事記、続日本書紀、朝鮮半島の三国遺事、高句麗好太王碑文などから紐解いていただきました。

日本書紀や古事記の神武天皇についての記述では、東征のことが大部分であり、政治的なことはほとんど触れられていない。それに対し崇神天皇についての記述は政治的な部分も多く、神武天皇と同じく東征をして最初に国を治めたことが書かれていること、また国風諡号が同じ点から、神武天皇は実在せず崇神天皇が本当の初代天皇ではないか…との見解でした。

また、高句麗好太王碑文の鄒牟王の話と日本書紀における神武天皇の記述が非常に似ていることも興味深く感じられました。

日本の起源とも言えるお話に学生の皆さんも非常に真剣な表情で聴き入っている様子でした。

平成27年度 第2学期

本日、7月7日(火)の一般教養講座

テーマ:祇園「後祭」復興に思う

講師:公益財団法人祇園祭山鉾連合会理事長、京都生活工藝館「無名舎」舎主 吉田孝次郎先生

 

京都の7月といえば祇園祭ですね!今回は昨年からの「後祭」が復興した祇園祭について詳しくご講義いただきました。

本来の祇園祭は、外から町家を見て中庭そして奥庭まで見通せるようにし、町家と祭(内と外)との一体化による客迎えのしつらえ、それにより街全体で祭を祝う京都の町衆、町人の雅びたパフォーマンスの凄さ、そしてこんな昔から町を劇場化する感覚があったことに京都の静なるパワーを感じました。

学生の皆さんも吉田先生のお話を参考に今年の祇園祭を楽しまれることと思います。

本日、7月14日(火)の一般教養講座

テーマ:雅なる京繍の世界〜その歴史と魅力〜

講師:刺繍作家、京繍工芸士 長艸敏明先生

 

先週の吉田先生に続きまして、祇園祭に縁の深い長艸先生にご講義いただきました。

日本への刺繍伝来から現在に至るまで、そして祇園祭に関するお話しをしていただいた中で、現存する日本最古の刺繍「天寿国繡帳」では、月の中にこの時代すでにうさぎが描かれており、餅ではなく薬草を搗いている姿に驚きました。

また、江戸時代には東福門院が多くの衣装を作らせたことにより刺繍を含む京都の染織業界を発展させた話や、戦時中軍服には刺繍が施されるため呉服業界の中では不況の波が小さかった話を面白おかしく語っていただきました。

最後に、祗園祭の北観音山・占出山の水引幕復元新調がどれだけの時間と技術を使って成されたのかをお話しいただくと、学生の皆さんは大変興味深く真剣な表情で聴き入っていました。

本日、7月21日(火)の一般教養講座

テーマ:連歌をもっと楽しもう!

講師:芥川賞作家 高城修三先生

 

連歌とは、異質なものを出会わせ、思いがけない発想やイメージを生み出す装置であるとのこと…これは、シュールレアリスムに似た芸術感覚であり、こんな感覚が平安時代末期に誕生していたことには驚かされました。

連歌作成には常に新しさが求められ、前句と重なった部分が多ければ面白みに欠けるなど表現力や感性の豊かさが必要であり、執筆が机から下ろした作品録は"紙屑"(芭蕉曰く)、連歌をしている時が全てとも言えるライブ感を重視した素晴らしい芸術であることを教えていただきました。

このような素晴らしい芸術についての講義に、学生の皆さんは真剣な表情で聴き入っていました。

本日、7月28日(火)の一般教養講座

テーマ:「梁塵秘抄」の世界 〜二弦琴で奏でる今様歌〜

講師:京都嵯峨芸術大学名誉教授 大竹仁子先生

 

本日は、平安時代に始まった芸能である今様についてご講義いただきました。

流行した時代は、一条天皇に始まり、後朱雀天皇、後白河天皇、後深草天皇在位の頃であり、「枕草子」「紫式部日記」「更級日記」「平家物語」などにも今様に関する記述があるそうです。

古くは「黒田節」、近代以降では「蛍の光」「荒城の月」などが今様と同様の形式で作られている…やはり、古くから現代に至るまで日本の歌には今様の影響が大きいのですね!

授業の始めと最後には藤舎盧惠先生に二弦琴を奏でながら今様を歌っていただきました。

本日、8月18日(火)の一般教養講座

テーマ:20世紀文学の巨人ジェイムス・ジョイスの小説

講師:京都府立大学文学部教授 浅井学先生

 

本日は、ジェイムス・ジョイスの作品の中から「ユリシーズ」に焦点をあててのご講義です。

まずは、スクリーンに映し出された「ユリシーズ」を読んでいるマリリン・モンローの写真から講義がスタートし、ジョイスの生い立ちについて、そして「ユリシーズ」を色んな角度から解説していただきました。

ユダヤ人としての差別、カトリック信者の結婚観、意識の流れを文章に表現する斬新さ、ギリシャ神話を隠れた構造として設定、18章のそれぞれの章が異なる文体で表現されているなど大変興味深い授業でした。

本日、8月25日(火)の一般教養講座

テーマ:古代日本の技術と技術者

講師:京都府立大学文学部教授 櫛木謙周先生

 

本日の一般教養講座は、奈良時代にまで遡って日本の技術や技術者についてご講義いただきました。

古代日本の手工業者を4つのタイプに分類してそれぞれを詳しく解説…中でも桴(筏)による材木の運搬業務を請負契約していた!この時代に請負契約があり更に契約書まであるのには驚かされました。また、1200年以上も前の奈良時代に飛騨の木工業者が特別扱いであったことにも驚かされました…左甚五郎を生み出した飛騨地方は昔から凄かったのですね!

古代日本の手工業を詳しく説いた授業に学生の皆さんは大変熱心に聴き入っている様子でした。

本日、9月1日(火)の一般教養講座

テーマ:よくわかる!京都・美の建築ー京都の神社・寺院別に鑑賞する"美"の建築ー

講師:株式会社らくたび 代表取締役 若村亮先生

 

本日は、古代から現代に至る日本の建築様式を主に京都の神社・寺院を中心にご講義いただいきました。

日本の建築史を時代ごとに考察、そして神社の本殿建築も様式ごとに考察し、寺院の伽藍配置の変遷や御所の建築様式などを京都の建築物を中心に詳しく解説していただきました。 

神社の屋根の千木が縦に切られているか横に切られているかで祭神が男性か女性かが判別できるお話や、飛鳥寺は五重塔を中心とした伽藍配置であるが、四天王寺や法隆寺は五重塔と金堂が同等の配列になるなど非常に興味深いお話でした。

今回の授業を参考に京都の神社仏閣を改めて探訪してみると面白いものが見えてくる様な気がしました。

本日、9月8日(火)の一般教養講座

テーマ:生涯現役、ずーっと元気 −生活習慣病を見直しましょう−

講師:京都大学大学院教授 学術博士 森谷敏夫先生

 

本日は、運動や食事が体にどの様な影響を及ぼすのか?を詳しくご講義いただきました。

人間は運動不足により、筋肉の量が減少する…筋肉が減少すると心臓が弱る、心臓が弱ると脳卒中になりやすくなる。また、女性の場合は運動不足により認知症を発症する確率が高くなるそうです。

その他歩く速度によって生存率が変わったり、宇宙飛行士は無重力の中で生活するため筋肉がすごい速度で減少することや、運動によって脳の一部である海馬(学習・記憶を司る)が増えるなど非常にテンポの良い興味深いお話に学生の皆さんも熱心に聴き入っている様子でした。

本日、9月15日(火)の一般教養講座

テーマ:川端康成「古都」 −現代において持つ意義−

講師:京都府立大学 文学部教授 野口祐子先生

 

本日は、京都の街並みの遷り変わり、また京都のあるべき姿を川端康成作「古都」をもとにご講義いただきました。

高度経済成長期を境に町家の洋風への化粧直しや建て替えが進み、京町家の減少率が加速し始めた。その状況を危惧した川端康成は「京都がなくなる」「山が見えない」と京都の景観への愛着と、激変の気配を嘆いたようです。

そして、主人公千重子が夜の遊覧バスツアーの情緒のなさを痛烈に批判している箇所が印象的でした。最近の旅行客に対しても、お寺の拝観などで千重子同様がっかりさせていないのかな…と少し心配になりました。

野口先生は生粋の京都人であり、京言葉を多用しての授業でしたので、学生の皆さんにとっても普段聞きなれた言葉による解りやすく楽しい授業だったと思います。

本日、9月29日(火)の一般教養講座

テーマ:地下に眠る京の歴史

講師:京都府立大学 文学部教授 菱田哲郎先生

 

本日は、平安京遷都以前の京都の歴史についてご講義いただきました。

5世紀に秦氏が葛野の地に入植し、一井と二井を用いた灌漑用水の敷設による平野の開発や養蚕技術の導入・拡散、広隆寺・北野廃寺の建立により京は平安京遷都以前既に先進的な文明を持った地域であったようです。

渡来人の秦氏により、のちの平安京の基盤が作られていたことに少し驚かされました。

学生の皆さんも京都の歴史に新たな発見があったのではないでしょうか。

本日、10月6日(火)の一般教養講座

テーマ:味わって読み解く、百人一首の世界(2)

講師:歌人 岩田晋次先生

 

本日は、百人一首秋の歌六首についてご講義いただきました。

本日講義で登場する作者は天智天皇、在原業平朝臣、菅家、良暹法師、参議雅経、皇太后宮大夫俊成であり、その中で紅葉を歌った二首は情景の鮮やかさが伝わってくる美しい歌でしたが、他四首は秋のさめざめとした物悲しさを感じさせる歌でした。

岩田先生の時折エピソードを挟んだテンポの良い講義に学生の皆さんも楽しく聴講されている様子でした。

本日、10月13日(火)の一般教養講座

テーマ:時事経済の見方について ーアベノミクスと暮らしの経済ー

講師:時事経済研究所所長 小林敬三先生

 

本日は、国際経済情勢と日本の経済から始まり、アベノミクスの旧3本の矢のおさらい、そして新たな3本の矢(目標)についてご講義いただきました。

マイナンバー制度では、個人情報をどこまで管理するのか?2016年のジュニアNISAスタート、相続税改正、少子化対策、第4次産業革命などについてのお話から、最後は医者が選んだ健康食品や健康寿命などシニアに役立つお話で締めていただきました。

本日、10月20日(火)の一般教養講座

テーマ:ユネスコ世界文化遺産と市民の役割

講師:京都府立大学生命環境学部教授 工学博士 宗田好史先生

 

本日は、ユネスコ世界文化遺産の歴史、日本から見た世界文化遺産に対する考え、また世界文化遺産に対する市民の役割まで詳しくご講義いただきました。

ユネスコ世界文化遺産は1972年ユネスコ総会で決議され、1975年に発行した国際条約ですが、日本はかなり遅れて1992年に批准したそうです。

批准が遅れた理由としては、欧米と日本とでは文化遺産の修復方法が違う点にあったようです。

世界文化遺産登録による効果を、日本人は観光目的(観光客の誘致)で考えているが、本来は国民や地域住民が誇りを持って歴史や自然環境を深く理解し、地域固有の未来を拓くこと、また世界遺産により固有の文化を世界に伝え民族相互の文化交流が広がることが重要な意義であるとのことです。

今回の講義で、古来の文化を知り、その知識を糧に未来を創っていくことが大事なこと…まさに温故知新が大切なことと痛感しました。

「今日は、何の日ですか?皆さん、今日がどんな日がご存知ですか?」

本日の授業は、所先生の、そんな一言から始まりました。

 

ちょうど100年前の今日、

1915年11月10日(大正4年)京都御所で大正天皇の即位礼が執り行われた重要な日。

この日が、なぜ重要なのかを、詳しくご教授下さいました。

明治維新という日本にとって、大変革、大混乱の時、

政治的、経済的な都は東京に移ったけれど、

「即位、大嘗、立后」の重要三事は平安京でと固く願われた明治天皇と法制化した人々。

大正大礼の折りに、烏丸通が、二条駅が、京都の町並みが今の形へと立派に整えられた。等々

1100年来の都である京都を守り抜いた先人たちの思いと行動があったから、今の京都がある。

京都には、京都にしかできないことがある。
現状に甘んじるのではなく、100年先、200年先のことを考えて、
京都が京都らしくあり続けるためには、何をすべきなのかを考えていきたい。

と、最後の締めくくりの言葉とされました。

学生の皆さんも、背筋がピンと伸びる思いで聴講されているようでした。

本日、11月17日(火)の一般教養講座

テーマ:おもてなしの心

講師:茶道 裏千家教授 ランディー チャネル 宗先生

 

本日は、「おもてなしの心」を京都在住カナダ人の茶道家の先生をお招きしてご講義頂きました。

「おもてなし」や千利休の茶道の心得「四規七則」を英語で表現、またおじぎの大切さについても英語を交え面白おかしくお話して頂きました。

講義後半は、宗榮先生とシニア大学の学生お二人参加のもと茶道の実演もして頂きました。

本日、11月24日(火)の一般教養講座

テーマ:ガマの油はほんまに効いたのか −2015年版− 漢方薬あれこれ、生薬、漢方薬の科学性

講師:中国・長春中医薬大学 客員教授 清原祥恵先生

 

本日は、ノーベル賞のエピソードあれこれに始まり、ガマの油、漢方薬について詳しくご講義いただきました。

本題にもなっているガマの油については、大坂の陣に徳川方として従軍した筑波山の禅寺の住職の陣中薬(ガマの油)の効果が評判になったものだそうで、実際にその成分の蟾酥(せんそ)には、強心作用、鎮痛作用、止血作用があるそうです。

漢方薬の原料は、植物・鉱物・動物に分類されることや、剤型としては、湯・丸・散・末に分類されること、またそれぞれについて詳しく、そして面白おかしくお話しいただきました。

本日、12月1日(火)の一般教養講座

テーマ:地球温暖化と異常気象 ー気象キャスターが語る天気予報の見方、聞き方、活かし方

講 師:気象予報士 南利幸先生

 

テレビでもおなじみの南先生に、下駄で天気予報は出来るのか?また、櫛の通りが悪いと雨が降るのは本当か?お天気マーククイズなどなど…天気予報のあれこれを面白おかしくご講義いただきました。

気象庁の天気予報の発表時刻は、5時・11時・17時の3回であり、5時には今日と明日、11時には今日・明日・明後日、17時には今夜・明日・明後日のお天気を発表するので、発表時刻にも注意して天気予報を利用してくださいとのことです。

そして、京阪神の最高気温、最低気温についても詳しくお話しして頂きました。

最後は、学生さんからの質問にもお答えいただき、京都のお天気は雲が愛宕さんにお参りしたら雨、伏見さんにお参りしたら晴れるのでは…とのお話しで締めて頂きました。

本日12月8日(火)の一般教養講座

テーマ:変貌する世界と「日本丸」の行方

講 師:京都産業大学名誉教授 田中義晧先生

 

目まぐるしく変わる世の中の動向について、国としてどのように考えどのように対応していけば良いのかを解りやすくご講義いただきました。

パリ同時多発テロを起こしたテロリストの背景やISの現状、南シナ海をめぐる米中対立、安保法制など山積している問題を田中先生独自のお考えをもとに解説していただきました。

特に内戦やISによる内乱の影響でシリア難民が増え続けるなか、アラブの盟主エジプトや富裕な国のクウェート、UAEなどがヨーロッパ任せにせず難民を受け入れる必要や責任があるのではないのか…この一節は、なるほど!と思わせるお話しでした。 

90分が短く感じるほど充実した内容の講義に学生の皆さんも熱心に聴き入っていました。

本日12月15日(火)の一般教養講座

テーマ:平成27年の10大ニュース

講 師:京都新聞社論説委員 十倉良一先生

 

本日は2015年最後の授業となりました。

平成27年の締めくくりとして今年の10大ニュースを新聞社の論説委員の視点からご講義いただきました。

世界の10大ニュースTOP3は、3番:中東のテロ拡大、犠牲多数。2番:欧州にシリア難民が大量移入。1番:パリ同時多発テロで130人死亡。

日本の10大ニュースTOP3は、同率2番:原発が2年ぶりに再稼動、川内に続いて伊方も。同率2番:辺野古移設で国と沖縄県の対立激化、法廷闘争に…。1番:安保法制が国会で強行採決、成立。

ISなどイスラム原理主義のテロにより、ヨーロッパでは、右傾化を示している国もあるとのこと…日本でも安保法制強行採決などを不安視する声もあるようです。

2015年は混沌とした世界情勢で暗いニュースが多かったのですが、来年の10大ニュースでは希望の持てる明るいニュースを聴けるといいですね。

本日1月12日(火)の一般教養講座

テーマ:隼人とクマソ −「異民族」の歴史と文化 −

講 師:京都シニア大学学長、京都市歴史資料館館長 井上満郎先生

 

平成28年最初の授業は、「隼人とクマソ 」を取り上げ、そこから日本の「異民族」の歴史と文化を紐解く非常に興味深い当校学長の講義です。

そもそも民族とは一体何なのか?言葉の違い?皮膚の色?目や髪の色?まずは民族に対する概念についてから講義開始です。

最近では男の子に「隼人」と言う名が多く見受けられるが、この「隼人」、そして「クマソ」 はどのような人々だったのか…

日本書紀の「海幸彦・山幸彦」にまで遡り、海幸彦が「隼人」の元ではないのか…

普段は余り考えない古代日本について思いを馳せ神話の成り立ちについても考えさせられる大変興味深い授業でした。

本日1月19日(火)の一般教養講座

テーマ:富岡鉄斎の印癖

講 師:京都シニア大学書道部講師、書画文化史研究家 鈴木士龍先生

 

本日は幕末に生誕、明治・大正に活躍された画家富岡鉄斎についてご講義いただきました。

文人画家として活躍していた鉄斎ですが、印章のコレクターでもあったこと、また鉄斎の生きた幕末から明治にかけては印章の収集が隆盛を極めたことも学びました。

大谷光勝、有栖川宮熾仁親王、山岡鉄舟、富岡鉄斎、三条実美が印の収蔵家であったことや印章を集めた本を出していることにも驚きました。

後半は、「独楽長物」「金鱗吐印図」「三老登岳図」などを取り上げて、各作品についての印や内容について解説していただきました。

日本の印鑑に関する文化は掘り下げるとこんなに深いのですね!

本日1月26日(火)の一般教養講座

テーマ:京都の花街 ー芸妓・舞妓の伝統美ー 40年撮り続けた集大成

講 師:写真家 溝縁ひろし先生

 

本日は、京都の花街を撮り続けて40年!貴重な写真をもとにご講義いただきました。

まずは、芸妓・舞妓の写真を見ながらのクイズ5問で講義スタート…京都のことを熟知している当校学生でも正解者はなんと2名でした。

芸妓・舞妓の文化は、やはり奥が深いですねぇ…

そして、さすがに40年花街を撮り続けた先生の写真…歌舞連場での芸妓さん、舞妓さんのお稽古のようすなど、普段は見ることができない様子や花街の年中行事の写真がスクリーンに映し出されると学生の皆さんは食い入るように見つめていました。

本日2月9日(火)の一般教養講座

テーマ:京都の陶磁器

講 師:京焼・清水焼伝統工芸士 伊藤南山先生

 

先週は休校日だったので2週間振りの授業となった本日は、京都の陶磁器についてご講義いただきました。

唐人相伝の押小路焼に始まり、樂長次郎など京のやきものを年表を辿って、さらに写真や先生ご自身の作品も見せていただきながら解説していただきました。

講義終盤には、コンビニの商品を先生の作品に盛り付けた写真も見せていただきましたが…美味しそうな料理に変身…こんなに変わるのかとビックリです。

最後にまとめとして先生が言われたのは「京都は土が良くないので人との交流をもとに作品を制作する、原材料は京の文化である」との言葉には京都の文化の歴史と重みをずっしりと感じました。

本日2月16日(火)の一般教養講座

テーマ:音楽業界の表とウラ

講 師:音楽評論家(元オリコン大阪編集長)、番組パーソナリティー 石井誠先生

 

本日は、40年以上の長きに渡り音楽業界で活躍されている先生ならではの業界の表とウラのお話をして頂きました。

石井先生のプロフィールを元に少し硬めのお話になりましたが、途中クイズを含めた少し砕けたお話に対しての反応が良かったため、以降エピソードを含めた面白いお話をして頂きました。

山下達郎さんが大阪に来ると、中古レコードを大量に購入するので、大阪の中古レコード屋さんからレコードが無くなる…など達郎さんのレコードコレクターぶりを面白おかしく語っていただいたりで本当に楽しい授業でした。

本日2月23日(火)の一般教養講座

テーマ:明治維新後の植治の庭作り

講 師:植治十一代 小川治兵衞先生

 

本日は、江戸時代より260年続くお庭造りの老舗十一代の先生に、明治維新前そして維新後の庭づくりについてご講義いただきました。

明治維新後の東京遷都により、京都が空洞化し産業も衰退するという事態に至った際も七代の治兵衞さんは地道に神社やお寺などのお庭づくりをされ、明治20年代になって京都に活気が戻ってきた後、明治28年に平安神宮の池泉回遊式庭園を作庭されたとのこと。

岡崎の別荘群も七代治兵衞さんの造られたお庭が数多く残されています。

綺麗な景色など自然に向き合っている時に人は穏やかな表情や笑顔になる…お庭を見て自然と触れ合って多くの方に豊かな心になってもらいたいとの十一代治兵衞さん(本日の講師)の言葉で講義を締めていただきました。

 本日3月1日(火)の一般教養講座

テーマ:豊臣秀頼の政治的地位

講 師:帝塚山大学文学部教授、国際日本文化研究センター名誉教授 笠谷和比古先生

 

本日は関ヶ原の合戦後、秀頼の政治的地位がどのようなものであったのかをご講義いただきました。

 これまでの定説では、関ヶ原合戦に勝利し、徳川幕藩体制の盤石の基礎を固めた…となっているが、関ヶ原合戦後の徳川系領国は日本全土の三分の一であったこと、また京都以西はほぼ外様大名の領地であったそうです。

俗に豊臣秀頼の領地は摂津・河内・和泉国の65万石と言われているが、その65万石に少なくとも秀頼家臣団(大阪衆)の領地100万石が加算されるようです。

その他、1606年の江戸城普請の際、8名の公儀の普請奉行のうち4名が将軍秀忠家臣、2名が大御所家康家臣、そしてなんと2名が豊臣秀頼の家臣であった。

また1611年の二条城会見についても秀頼を二条城に迎える家康は、臣下の礼をとるが如くの態度であったなどなど…

本当に定説とは、全く逆と言える内容のご講義に学生のみなさんも興味津々…熱心に聴き入っている様子でした。

本日3月8日(火)の一般教養講座

テーマ:京都の古地図さんぽ ー洛中洛外図でひも解く京の町ー

講 師:株式会社らくたび代表取締役 若村亮先生

 

本日は皆様にも馴染み深い「洛中洛外図」を元に京の町を散歩するが如く名所やその時代の風俗などを解説していただきました。

洛中洛外図の中から歴博甲本、上杉本、舟木本を取り上げ、歴博甲本は1521年〜1528年頃の様子が描かれているそうで、上杉本は1574年に織田信長が狩野永徳に描かせて上杉謙信に贈ったもの伝えられており、共に足利将軍邸や室町時代の有力大名の邸宅も描かれいるところに時代を感じます。

そして、舟木本になると江戸時代に入り、右隻に豊臣家の象徴とも言える方広寺、左隻に徳川の京における象徴である二条城を描き対比させているのが非常に興味深く感じられた。

今回も非常に解りやすく愉しいご講義で、学生の皆さんもあっという間の90分だったと思います。

本日3月15日(火)の一般教養講座

テーマ:大坂の陣と武将群像

講 師:帝塚山大学文学部教授、国際日本文化研究センター名誉教授 笠谷和比古先生

 

3月1日一般教養講座の続編をご講義いただきました。

前回に引き続き二条城会見について…二条城会見後の家康の変わっていく様、そして方広寺梵鐘の銘文についての検証…この時代、梵鐘の銘文に名前を使うのは無礼であり家康が怒るのも当然とのこと。

またこの事件をきっかけに豊臣家は大坂冬の陣、夏の陣と続いた戦で滅亡の道を辿ることになった。

一般に大坂夏の陣で真田信繁(幸村)が家康本陣に迫ったとされているが、この戦いで奮戦して徳川軍を蹴散らし、家康本陣に迫ったのは毛利勝永軍であるとのことです。

歴史は通説では脚色されている部分が多いのですが、事実や資料に基づいてのお話は理路整然としていて非常に面白く感じられました。

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